なぜ小林麻央は初期治療と精密検査を拒否したのか…早期発見の大切さ示す結果となった…[adsense]
なぜ小林麻央は初期治療と精密検査を拒否したのか
乳がんで亡くなった小林麻央さんが人間ドックで「五分五分でがん」と指摘されたのは平成26年2月のことだった。しかし再検査の結果、経過観察となり、細胞の一部を取って調べる生検は見送られた。同年10月に麻央さん自身が左乳房のしこりに気づいた。痛みを和らげる処置などが施されたが、本格的な治療には至らなかった。2年後の昨年10月、がんは「ステージ4」に進行していた。「最初の段階で家族性の乳がんを疑うべきだった。そのときに精密検査も実施していれば…」。乳がん関連遺伝子「BRCA1」の発見者、東京医科歯科大学の三木義男教授(分子遺伝分野)がそう話すのは麻央さんの母親も乳がんを経験しているからだ。麻央さんはブログで治療の過程で遺伝子検査を受けたところ「陰性だった」と報告した。しかし、
「検査で調べる関連遺伝子以外にも、未解明の遺伝子も残されている。現行の検査で陰性と出ても遺伝性の可能性は完全に否定されたわけではない」(三木教授)というのだ。遺伝性を含めて家族性の乳がんの割合は全体の5~10%程度。決して多い比率ではない。それでも
「40代以降に多発するなかで30代で発症するケースはまず遺伝性を疑う」と別のがん研究者は話す。麻央さんにはいくつかの治療法が試されたが、すべて後手に回った。あっという間に手術が難しい段階に進行した。診断と治療の遅れに加え、このスピードも想定外だった。[adsense]
早期発見の大切さ示す結果となった…
がん研有明病院乳腺外科の岩瀬拓士部長は「乳がんの大きさが2センチ以下で、リンパ節への転移がないステージ1で発見されれば10年生存率は平均で90%前後にもなる。治療を怖がらないでほしい」と訴える。麻央さんが闘ったのは不治の難病ではない。ただ、早期発見のチャンスを逃してしまった。
「あのとき、もうひとつ病院に行けばよかった。あのとき、信じなければよかった」。麻央さんは自身のブログで膨大な量のメッセージを発信し、適切な診断と早期治療の大切さを身をもって示した。[adsense]